「榎木津さん」


「ブッ、な、なんて格好をしてるんです。早く支度して下さい、お迎えが来ますよ!」
「行かない」
「何言ってんですかア、今さら。いくら本家と縁がほとんどないったって、親戚の葬式くらいには出ないと」
「………」


「……」


「とにかくそんな風体じゃ格好がつかないでしょう。服を着て下さいよ」


「僕ァ仕事の依頼の話は代わりに聞けても、ご一族のお相手はできませんよ。
ただでさえ小市民なんですからね…」


「おい」

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